SHOJI KIKO

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コストパフォーマンスが高く、精度が必要な部品にも適合。コストパフォーマンスが高く、
鋼を強くする

金属は木材とか樹脂といった他の部材よりも硬いのですが、金属もどこかにぶつけると凹みます。特に金属同士の接触や摺動、回転など擦れが生じた場合には、金属の表面が磨耗してしまいます。それは金属の組織がまだ軟らかいからなのです。その軟らかさを補うために熱処理を行ないます。金属を熱処理することで内部組織を均一化し、硬くすることができるのです。

焼入れ〜鋼を硬くする〜

    鋼を変態点(組織の構造が変化するポイント)以上の温度まで上昇させ、一定時間置いた後、急激に冷却することを「焼入れ」と呼びます。
    鋼を硬くすることが焼入れの目的ですが、硬化の程度は鋼に含まれる炭素量で決まります。炭素だけでなく、さまざまな合金元素によっても最高硬さや硬化の深さが変化します。その変化の度合が高い鋼ほど「焼入れ性がよい」と言われます。なお、焼入れ性がよい鋼種は空気や油など冷却媒体を選びませんが、反対に焼入れ性が悪い鋼種の場合は水などで急速に冷却しないと目的の硬さが得られません。
    また、処理物が大きくなればなるほど冷却速度が遅くなる傾向があり、これを質量効果と呼びます。長尺物を熱処理する場合は、質量効果を念頭に置いて工程設計する必要があります。

焼もどし〜鋼を強靭にする〜

    焼入れによって鋼の組織はマルテンサイト化して硬くなりますが、そのままではもろく、割れなどが生じやすい状態です。「焼もどし」とはそこからさらに再加熱して硬さを調整しながら、粘りや強靭性を高める作業です。
    基本的に焼入れと焼もどしはワンセットで行い、硬くて丈夫な製品づくりに生かします。もし、焼入れだけで作られた工具や部品があったとすると、すぐに破損したりキズが付いたりして使い物にならないでしょう。なお、この焼入れは低温焼もどしと高温焼もどしに大別できます。

低温焼もどし

    ニッケルは適度な硬度、柔軟性がある強磁性の金属です。ニッケルメッキの種類は多く、光沢、半光沢、無光沢、つや消し(サテン)、黒ニッケル、二・三層メッキなどが実用化されています。工業的用途として、ス焼もどし温度は150〜200°Cで保持時間は1時間。このプロセスで硬くてもろい焼入れマルテンサイトが粘りのある焼もどしマルテンサイトに変化します。また焼入れによるストレスが取り除けるので、耐摩耗性や割れなどが防止できるほか経年変化にも強くなります。

亜鉛めっき

    亜鉛めっきは、電気を流すことで皮膜が生成され、この電気的性質から電気の流れやすいところや、製品の端部分が膜厚が厚くなる傾向があります。逆にくぼんだ箇所や電気的に陰になるような場所は、めっきが薄くなる傾向があります。 めっき後にネジが入りにくくなるとか、精度の求められる箇所のクリアランスが、悪くなるとかいうトラブルも、膜厚や分布が原因することも有ります。
    亜鉛皮膜は、亜鉛自体が腐食することで、素材の鉄の錆び(赤錆)の発生を防止する働きが有ります。亜鉛皮膜が錆びると、俗に「白錆び」が生じます。この白錆びを防止するために、亜鉛めっきの上からクロメート処理がされます。

高温焼もどし

    高温焼もどしは強靭性が必要なシャフトや歯車類、工具類の製造に用いられます。処理は550〜650°Cの高温で1時間程度加熱した後、空気で急冷しますが、同時に焼入れで残っていたオーステナイトがマルテンサイトに変化するので、これをさらにもう1回焼もどしします。

焼きなまし(焼鈍)

    切削加工をしやすくするために鋼を軟らかくする処理のことです。

焼きならし(焼準)

    焼きならしとは、鋼の組織を均一にする作業です。そもそも鋼材は鋳造・鍛造・圧延で作られますが、そこで生じたひずみによって組織が不均一となっています。そこで、生じたひずみを均一化して機械的特性を持たせるために焼きならしがあります。

調 質

    焼き入れ・焼き戻しの処理を合わせて調質といいます。

アルミ合金熱処理

    アルミニウム合金に含まれているマグネシュウム(Mg)、銅(Cu)、シリコン(Si)等を、アルミの素地に溶け込ませた(過飽和固容体)状態を保ったまま急冷(水冷)する熱処理です。

ショットピーニング

    焼き入れ、浸炭焼き入れされた部材の表面に大量のショット粒を広範囲に高速で投射させて、金属表面を加工硬化させる手法です。

PVDコーティング処理

    真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングなどがあります。

浸炭熱処理

    鉄鋼の表面に炭素を浸入させたあとに焼入れを行う熱処理。自動車部品、工作機械部品、建設機械部品等の、歯車、シャフト類、摺動部品など多くの部位に使用される。

高周波熱処理

    誘導加熱焼き入れとも言う。必要な部位のみコイルを巻き、必要な深さのみ加熱・冷却して焼きを入れる処理。

窒化処理

    窒素を侵入拡散させることでAr、Cr、Mo、Ti、V等と硬さの高い窒化物を生成させる処理。 金属そのものを化合させるため、高度強化という加工にあって、寸法の変化が小さく、元となる金属の重量の増加が少ない。窒化処理の目的としては、耐磨耗性、耐疲労性、耐腐食性、耐熱性の向上であり、処理温度、時間、ガスの種類によりいろいろな特性を得る。 また、窒素という環境に害のない気体を用いた加工手法であり、環境面や安全面への影響も少なく、総じて優秀な金属の効果処理手法である。

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